六月に食べたい和菓子「水無月」。夏越の祓って知ってますか?

季節の和菓子が食べたい!6月だ!6月ってなにがあるのー!

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なんて人にオススメしたい和菓子があります。それが「水無月」という和菓子です。写真はこちらです。新宿紀ノ国屋で購入しました。

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水無月

でもちょっと待ってください「水無月」という名前です。そもそも「水無月」は六月の異名として有名ですが、なぜ六月の異名なんですかね?
梅雨で雨が降るから、なんなら水がいっぱいなのに水無月なんでしょうね?むしろ水があるから「水有月」とか「水在月」なんじゃないの?みたいな疑問、ありますよね。
 
実はこれ、簡単に言えば「無」はただの当て字で「水の月」という意味の「みなづき」なんですよね。「な」というのが「〜の」というような意味を持つようです。
だから「神無月」も本当はよく知られている「神様がいない月」なのではなくて(十月には八百万の神が出雲の国に集まるとされるが、留守神という出雲に赴かないと神様もいる)「神様の月」という意味なんですねー
(詳しくはこちらのサイトが分かりやすく説明されていましたのでご参照ください)
暑いけど、水の月と言えば「恵みの雨」「慈雨」なんていう言葉もあるように、涼しさと嬉しさがイメージされますよね。
 
そんな「水無月」という名前を持ったお菓子。
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すみません、一口食べてしまいました。
お菓子自体はういろうで、米粉を砂糖と練り合わせて蒸したものです。上に乗っているのは、甘く煮詰めた小豆です。もちもちしていて美味しいですよ!
 
日本では昔から「夏越の祓(なごしのはらえ)」と言って六月の三十日(みそか)の日にこの水無月というお菓子を食べて厄払いをしていました。
ちなみに、月の最後の日のことを「みそか(晦日、三十日)」と言いますが、年の最後の日のことを「おおみそか(大晦日)」と言いますよね。
 

水無月△

このお菓子の形、三角形は、氷が貴重だった時代に冬にできた自然の氷を地下の涼しい氷室という場所で保存しておいて、夏に取り出したものを食べやすく切り分けた形から来ています。氷は貴族しか食べられない貴重なものだったので、庶民は氷(に見立てたもの)を食べて暑気払いをして夏を元気に過ごそう!ということでした。
 

赤の力

上に乗っている小豆は古来より邪気を祓うものとして扱われてきました。なぜ小豆が邪気を祓うのかと言うと、「赤色」だからです。人間にとって大切な赤色の液体、そう「血」の色です。血は生命の源です。赤色は生命の根源を象徴します。日本の神話でも血が魔力、呪力を持ったとして扱われていて、イザナギが火の神であるカグツチを切り殺した時に飛び散った血がそれぞれ神様になったとも記されています。
 

赤の力は意外と近くに

そしてその赤色は神様を祀る神社の大切な入り口である鳥居の色であり、大事な約束事に用いる朱肉の色でもあります。血判とか、血で印をつけることもあったそうで、たまにシキタリを大切にする組織の入会儀式でやってたりしますよね。
他には、今でもおめでたいことがあった時などには赤飯を炊く風習があると思いますが、それもこの「赤の力」に期待してのことなのです。(女性の初潮祝いで赤飯を炊くのも「血の赤」つながりらしいです)
 
そもそも小豆には栄養がたくさんあるので健康にも良いので夏バテしないように栄養を摂るという意味でも役に立つのではないでしょうかー

 

 

 

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